江戸の落穂 ~八王子 千人衆~

夢野晴吉先生のコラム第十四弾
江戸の落穂 
 ~八王子 千人衆~をお届けいたします
 
江戸の落穂 
 ~八王子 千人衆~
 
 火消しは奉行所のご支配(=直轄)だったので、
これが火消し達の誇りでもありました。
 
 火消しは職業ではなく、
奉行所によって組織された義勇消防隊だったので、
無給でした。
 
 それでもこの時代、
お上の仕事という事は非常に名誉であると考えられていましたので、
無給でも喜んで行っていました。
 
 この火消しの組織が手本としたのが、八王子千人衆です。
 
 もし、徳川に仇す(あだなす)軍勢が来た時に戦う為に、
今では農民となった武田の遺臣等が八王子に集められました。
 
 千人衆の身分は武士ではありましたが、
俸禄(ほうろく・・・報酬)は無かったので、
普段は畑仕事に従事していました。
 
 それでも、自分達は武士の身分である、という事を誇りにしていたので、
充分満足していました。           
                        終わり