江戸の落穂~初出~

明けましておめでとうございます。
新しい年が始まりました。
平和で穏やかな日々が続きますように・・・と願っております。
 
お待ちかねの晴吉先生の新春のコラム第四弾
江戸の落穂~初出~をお届けいたします。
 

 
夢野晴吉コラム
第四弾

江戸の落穂 ~初出~
 
“ 初出見よとて 出を掛けて ”
これは俗曲の『初出見よとて』の唄い出しです。
初出とは出初式の事で、
江戸時代から火消しの出初は一月四日と決まっていました。
 
正月の挨拶に、各組がそれぞれの組内を木遣りを唄いながら歩いたもので、
そのように、木遣りを唄う事を「木遣りを呼ぶ」と言ったのです。
 
明治に入り、官製の消防が編成されると、
江戸時代からある、いろはの番組と一緒に、
日比谷公園や上野公園で梯子乗りが行われるようになりました。
 
梯子乗りは鳶(とび)の身の軽さを示すものです。
梯子の上で軽々と技を決めていく者に、
「あいつは小屋が軽い(身が軽い)ね」と鳶同士で言ったそうです。