江戸の落穂 ~そのギモンにお答えします・木遣り編~

夢野晴吉先生のコラム第十八弾
江戸の落穂
~そのギモンにお答えします・木遣り編~
 
 
江戸の落穂 
~そのギモンにお答えします・木遣り編~

先日、生徒さんから質問頂きました。

端唄俗曲「木遣りくずし」の中で、

『兄貴ゃ二階で 木遣りの稽古
 音頭とるのは アリャうちの人』

とありますが、音頭とるのは何故ですか?と言うものです。

「木遣り」というものは、全て作業歌と言って良いもので、
鳶が行っていた地形(じぎょう)と呼ばれる「地がため」の作業では、
『タコ』と呼ばれる大きな丸太のような重しを降り下ろして、
杭を打ったり、土地を突き堅めました。

こうした作業を全て人力で行っていましたので、
みんなの呼吸を合わせる為に、木遣りが必要になるのです。
つまり「ヨイトマケ」の音頭と同じ事です。

本来、木遣りの稽古では、
梃子棒(てこぼう)と呼ばれる樫(カシ)の木で出来た40cm位の棒を持って、タコを落とす間(ま)を合わせていました。

~お知らせ~
端唄の歌詞や火消しの事などで、ご質問ございましたら、
浅学ではございますが、分かる範囲お調べして、
お話しさせて頂きたいと思っております。

夢野晴吉