江戸の落穂 ~博打を教える馬鹿はいない!?~

夢野晴吉先生のコラム第五一弾
江戸の落穂
  ~博打を教える馬鹿はいない!?~
 
 
 昔、堅気の商売をしている人達は博打(ばくち)いわゆるギャンブルを大っぴらにやっている事を隠していました。そうした家では花札を見るのも嫌がられたものです。
 
 こっそり賭場(とば)に行ったり、自分達で賭場を設けてやっていましたが、あくまでもひっそりと隠れてやっていて、それを「内外(ないがい)をつける」と隠語のように言っていました。
 
 一方、仕事師の間では、博打を打つのが当然という雰囲気がありました。何しろ「博打もしなきゃ、女遊びもしないなんてつまらねえだろう、何が面白くて生きてやがるんだ」と言われてしまう世界ですから、朝から博打をやって警察にあげられた男が夕方にまた捕まって戻ってきたなんて話がいくつもあります。
 
 私のお祖父さんも小さい私に花札を見せて、牡丹だの桜だの色々教えようとしていたところをお祖母さんに見つかって、「孫に花教えるなんて馬鹿いるかい!!」とこっぴどく叱られていました。
 
 お祖父さんは退屈しのぎに,孫と花を引こうとしたのですから、お祖母さんがカンカンになって怒るのも当然でしょう。
 
 後年、大人になってから私も花を引く事が幾度かありましたが、私はほとんど負けませんでした。これもお祖父さんのおかげでしょうか?


今年の端唄の会では、
私も「め組の喧嘩」の一コマに特別出演!!(笑)

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『幕の内ならいざ知らず 
まだ二段目も序の口の鉄砲づきを見ちゃ 
後へは引けねぇ 鳶の者さぁ~!!!』