江戸の落穂 ~へ組の頭(かしら)~

夢野晴吉先生のコラム第九弾
江戸の落穂 ~へ組の頭(かしら)~をお届けします。

江戸の落穂 ~へ組の頭(かしら)~

みなさんご存知のように“いろは”は48文字になっています。
火消しの組も48組有りましたが、その中で「ひ」は火につながり、
「へ」「ら」「ん」も語呂が悪いので、本・百・千・萬という組が4つ造られました。
この事が以前は落語の枕として良く使われました。

それは・・・
町内の髪結い床(かみゆいどこ)は暇人の集まる場所となっていました。
囲碁、将棋をする方、馬鹿話に花を咲かせる方、中には昼寝をする方も・・・。

「おい、変な頭(かしら)がここにいるよ、へ組みだとよ」
「何をっ!!」と起き上がった頭(かしら)の半纏を良く見ると、「く組」の頭でした。
く組の頭が横になっていたので、「く」が「へ」に見えた・・・。