江戸の落穂 『淡海節』の想い出話

                       夢野晴吉先生のコラム第四十弾  
江戸の落穂~『淡海節』の想い出話~
をお届けいたします。

♪ 船を引き上げ 船頭衆は帰る
     あとに残るは櫓(ろ)と櫂(かい) 波の音
      ヨイショコショー 浜の松風 ♪
 
 この唄は志賀廼家淡海(しがのやたんかい)という芸人が舞台の中で唄って評判となり、やがてその唄は『淡海節』と呼ばれるようになりました。
 
  私が小学生の頃、志賀廼家淡海は浅草の軽演劇の人気者でした。
もう何十年も前の話ですが、琵琶湖の湖岸にある堅田(かただ)という当時の国鉄の駅に降りると駅前に志賀廼家淡海の碑がありました。
 
 堅田落雁(かただのらくがん)という近江八景の一つに数えられるこの地で淡海が生まれた事を知り、幼い時にみた淡海の事を思い出して、思わず声が出るほど感激したのを昨日の事のように思い出します。
もう随分昔の話ですが・・・。