江戸の落穂~私の想い出のお花見風景~

              夢野晴吉先生のコラム第四十五弾  
   江戸の落穂 
 ~私の想い出のお花見風景
  
今年の桜
も綺麗でしたね。    
皆さんもお花見を楽しんだ事と思います。

戦前のお花見について少しお話しますと、私のいた神田の町内では、町内の人が皆一緒に出掛けていました。


お花見の場所は遊園地だったので、子供達はお菓子と乗り物の切符をもらい、大人にはお弁当とお酒が用意されて、それぞれ楽しんでいました。


私は父が町内の役員だったので、遊園地の下見について行くのと、本番のお花見で二度遊びに行けるのが楽しくてしかたなかった事と、その日の為にあつらえた皆揃いの桜の花びらを散らした手拭いを首に巻いたのを思い出します。

更に昔の話にさかのぼれば、お花見には仮装行列をして出掛けた人が大勢いたと申します。

こうしたのんびりした江戸の名残りのような情景も、先の戦争で一気に消えてしまったように思います。

桜が散ってしまった今日この頃に、そんな事をふと思い出しました。